第20章 貴女の王子様(筋肉松)
カラ松君、起きてたんだ。
目を細めて見つめるその顔に、私はちょっとときめいてしまった。
カラ松「やんちゃな唇だな…塞ぐぜ…」
そういい、カラ松君は私の唇に、
そっと優しくキスをした。
その唇はさっきまでのような激しいものではなく、優しくぎこちない、
王子様と白雪姫のキスのような、
上手く言い表せない、ロマンチックなキスだった。
カラ松「…さっきはすまなかった。」
「え…?」
カラ松「○○にあんなことするなんて、俺は本当に酷い事をした。
俺は本当に酷い奴だ。大事な○○のファーストキスを奪って、ただの嫉妬心であんな乱暴に○○にキスして。
○○に許してくれなんて頼まない。ただ…どうか、俺のことを嫌いにならないでくれッ……お願いだッ……」
カラ松君の目尻に、少しずつ涙が溢れてくる。
カラ松君は、私に嫌われるのを、怖がってくれるの?
カラ松君は、私と一松君に、嫉妬してくれるの?
……嬉しい。
私を、そこまで思ってくれるなんて。
「ありがとう…ゴメンね、カラ松君。」
カラ松「何がありがとう何だ?しかも、謝るのは寧ろ俺のほうで……」
「ううん、何でもない。寝よっか?」
カラ松君、変な所で鈍感だなぁ…
まぁ、そんなとこがカラ松君らしいや。
私もそろそろ寝よう、そのとき___
「○○チャン、起きてたんだぁ~?」
さっきまで眠っていたはずの十四松君が、起きていたのだ。