第20章 貴女の王子様(筋肉松)
【十四松】
まさか起きていたなんて。
○○ちゃんはそんな色をし、此方をゆっくり振り向く。
僕の真っ直ぐな目にどよめいているようだ。
ゴメンね、そんな顔をさせたいんじゃないんだ。
えっとね……
チュッ
「……えっ?////」
十四松「おやすみのキス、したかったんだぁ?」
にへらと笑って誤魔化す。
僕、実は知ってたんだ。
一松兄さんとキスしてたの。
おそ松兄さんとトド松とも。
そして、今カラ松兄さんとも。
全部全部、知っていた。
僕にだって感情はある。
だからこそ、嫉妬したんだ。
だからこそ、羨ましかった。
十四松「おやすみ、○○………」
呼び捨てにして呼んでみる。
これじゃまるで新婚さんだ。
いや、そうなれたら逆に本望だな。
だけど_____
『十四松君』
十四松「ッ!…………」
「十四松君……?」
十四松「○○ちゃん………ぎゅーして…?」
有無を言わせず、○○ちゃんに抱きついた。しがみついた、のほうが正しいかも知れないが。
それを○○ちゃんは嫌がらず僕の背中に腕をまわしてくれた。
「おやすみ、十四松君………」
十四松「………おやすみ」