第18章 飴色の夕日(年中松)
【○○】
私達三人はこの旅館の下町に来ていた。
ここの旅館は小山の上に建っているから、山道を降りなくてはならない。
だけど、降りる際、二人がずっと手を握っててくれて_____
ヤバい……こんな少女漫画のような世界って、あったんだ。
ごちそうさまです、二人とも。
一松「○○、何か欲しいのあんの?」
一松君が、興味なさそうに呟く。
チョロ松「この抹茶の饅頭は?」
一松「……ブルーベリーのパイ、旨そう。」
「う~ん」
どっちにしよう…
どっちも美味しいからな………
「抹茶饅頭とブルーベリーパイ、下さい。」
一松「……どっちも買うのか」
「美味しそうだったし!」
私が一松君の方を向くと、一松君は短く「へぇ…」と呟いた。
饅頭とパイを買うと、
チョロ松「お菓子、重いんじゃない?持つよ。」
と、ひょいと私の荷物を持ち上げた。
「あっ!いいよ、私持つ…」
チョロ松「女の子の荷物を持つくらい、させてよ」
と、止められた。
不覚にも、私は彼に、きゅんとしてしまった。
すると
一松「○○、此方おいで」
と、私の返事もなく私に抱きついた。
「ちょ!////」
一松「チョロ松兄さんが荷物持ちなら、俺は○○持ち」
チョロ松「にゃんだと………」
チョロ松君、噛んじゃってるよ。
そうして、一松は私とチョロ松君を剥がした。
「………やきもち?」
一松「っ…!!ほっとけ!!////」
「一松君、可愛いね。」
チョロ松「はい行こ行こ、調子狂うから。」