第15章 悪い子にはお仕置きを(一松)
「ぷはっ……ちょっと何なの、一松君!?」
おんぶの時もして、何で運動してないのに力あるのこの人………
私を片手で持ち上げて、走ったんだよこの人!?
「やめなさいこの誘拐犯!」
一松「お仕置きしなきゃね浮気犯。」
私がチョロ松君の台詞をパクったら一松君に返された。
「えっ?」
一松「○○が浮気するような女立ったとは…………」
一松君の台詞に、私は反撃することも出来ず、ただ目の前の彼に対する恐怖心がみるみる込み上げて来たのだ。
一松君が私の鎖骨に人差し指をつける。
その指が、丸で銃口のような感覚だった。
一松「誰に付けられた?」
私は、十四松君と言えなかった。
今の一松君に言ったら、十四松君に殴りにいきそうな予感が寒いほどした。
私は首をひたすら横に振る。
私の目尻に、涙が零れ落ちた。
その涙が一粒、一松君の手に降りかかる。
一松「……!○○、泣いてる……?」
「うっ……ひっく……」
怖い、
あの優しい一松君が。
一番ピュアな一松君が。
怖い。
私は頭を抱え、一松君から自身を守るような姿勢をとった。
一松「○○っ……ゴメンっ……!
何て言うとでも思った?」