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ある一週間のこと

第2章 二日目




次の日。

僕は働いている仕事場の控室で重たいため息をついていた。
昨日は本当に散々だった。確かに僕が久しぶりの人間界でのショッピングに混乱していたのは認めるけど、まさかあんなことになるとは……。
ミリィちゃんがいなかったら、どうなっていたことやら。いや、ミリィちゃんが相手を怒らせなかったら、僕の首がとれなかったのかなぁ。
いやいや、でも彼女がいなかったら僕のことだからそのまま女の子達に連れていかれた気がする。


「フィル君! ミリィちゃんから話聞いたわよぉ!」


後ろのドアから、僕の働いている職場のオーナーが勢い良く入ってきた。
相変わらずレスラー並みのごつい体に真っ赤な口紅を塗っていて、いろんな意味で迫力満点だ。ついでに言うと、頭から茶色の狼の耳と腰付近から狼の尻尾が生えていて、またまた凄い容姿だ。

僕は机に突っ伏するとへなへなとした声をあげる。


「ジェイさん……うぅ、もう聞いてますか……」

「ダメじゃない、人間の前で首落としちゃあ」

「わかってますよ~……」


野太い声で説教されて、ますます落ち込んでしまう。


「でもまあ、何事もなくって良かったわぁ。ちゃんとミリィちゃんが幻覚操作してくれたおかげね!」

「彼女には頭が上がりません……」

「ほらほら、もうすぐ開店なんだからちゃんとしてねっ!」


バンバンと背中をたたかれて、一瞬骨が折れるんじゃないかと思った。ゲホゴホと情けない席をしていると、僕はもう一度ため息をついて立ち上がった。

……さてと、仕事をしてきますか。

妖精界ホストクラブ、ナイトメアでの1日がまた始まった。



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