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ある一週間のこと

第6章 六日目




「そうね。でも、私はあなたの『それでも助けたい』っていう想いが好きよ」

「……。そっか……うん、ありがとう」


僕はそれだけしか言うことができなかった。ミリィちゃんの温かな想いに、心の中がゆっくりと熱くなっていく。
ミリィちゃんに出会えてよかった。本当にそう思った。


「……だからね、フィルがジェイさんの事を好きでも別にいいのよ」

「うん。……は?」


とんでもない発言を聞いてしまった。心臓が飛び出るかと思った。
ミリィちゃんは唇をぎゅっと横に結んで肩を震わせている。


「え、な、なんのことミリィちゃん……?」

「だっ、だからジェイさんの事が好きでも私は気にしないわよってこと!」

「え……えええええええ!?」


ちょ、ちょっと待って! なんでそういう話にミリィちゃんの中ではなってるの!? も、もしかしてここ数日様子がおかしかったのって、こんな勘違いしてたから!?


「ち、ちちち違うよっ! そりゃまあ、ジェイさんは男前だけどっ。筋肉凄いし、よく見ればイケメンだし! でも全然そういうのじゃないからっ!」

「だ、だってフィルこの前ジェイさんに『気になってる方とかいるんですか?』って真っ赤な顔で訊いてたじゃないっ!」


僕の否定の言葉に、ミリィちゃんも負けじと言い返してくる。
うわあああ、あれか! やっぱりミリィちゃん完全に勘違いしてるよー! 確かに赤面してたけど、あれはあんな恥ずかしい質問をしたからであって! 別にジェイさんに対してどうこうというわけではないんだよっ!

僕がカクカクシカジカと、アンジェラさんからの頼みごとの流れを説明する。
ミリィちゃんは僕の必死の説明に目をパチパチしていたが、ただの勘違いだとわかると途端に顔を真っ赤にした。


「い、今のは忘れてっ! 本当にごめんなさい!」

「う、ううん……流石にあの場面じゃ勘違いされてもおかしくないよねっ」


あはは~と笑うと、ミリィちゃんは顔を両手で覆ったままぶつぶつと独り言を言い始める。


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