第10章 練習試合
結局終わりは19時過ぎ。
潔く帰ろうと思ったところを原に捕まった。
原「花宮は本屋寄るから先帰ってろって言ってたよん。じゃ、俺らとマジバ行こっか」
「いや、なんでそうなった。なんで先帰ってろなら帰るもん」
だーめと言われながら、バッグをひょいと取られる。
原「返して欲しかったら、俺らとマジバに行って奢られてことを話すことだよ~ん」
「いや、奢ってくれるのね」
仕方がない。
どちらにせよ誰かに相談しようと思ってたところだ。ちょうどいい機会だと思ってついていこう。
駅近くのマジバに着くとササッと席を確保し、話し始める。
この時は珍しく瀬戸が起きていた。
原「で、何があったの??」
興味津々の様子で、原と山崎が身を乗り出してくる。
古橋は溜息をつき、瀬戸は苦笑いしている。
「いやぁ……」
過去の話をしていて、あまりにも酷な話で
その流れでキスを……
「……なんか恥ずかしい」
原「可愛い〜」
瀬戸「あーー、過去の話してたら割と残酷な話しすぎて、何らかのはずみがあってその流れで花宮にキスされた……的な?」
原「え、そんな乙女チックな少女漫画みたいな事起きる!?」
山崎「いやぁ、流石にそれは……」
っと一同が夏目を見ると
「っ……実は」
原が口をあんぐり開けて、山崎は顔を真っ赤にしている。
古橋は何やら興味深そうな顔をしており、瀬戸は苦笑い。
原「エ、マジなの?いや、やばくない?かずやくんビックリ」
山崎「花宮…やるな」
瀬戸「うーん……想定内」
お前は頭がちげーからな!っと山崎が勢いよく突っ込む、
原「でも付き合ってないんしょ?告白は?」
「されてないよ。付き合ってもないね。多分今吉のこととか解決するまで付き合うつもりは無いと思うんだ」
原「なるほどねぇ……だから今日ぼーっとしてたのねん」
ニヤニヤしながら原が言う。
「気にしないようにはしてるんだけど……」
どうしても思い出してしまう。意識せずにはいられなくなってしまう。
瀬戸「もうが収まるのを待つしかなさそうだね。この問題は。」
と、少し困った笑顔で言う瀬戸に何故かキュンときた。