第2章 貴方と俺
夜が明け、朝が来る。
耳をくすぐる貴方の寝息は幸せの音。
どうかこの音を
聞き続けられるようにと祈る。
あの日の憧れが今、たからものとして
この腕の中にある。
つい、抱きしめて確認したくなるんだ。
本当にあるのかと…。
これはリアルなのかと…。
抱きしめる体温が教えてくれるね。
これはリアルなんだと。
愛する人にキスをしながら
朝であることを告げる。
「おはよう、智くん、朝だよ。
昨日、遅かったみたいだけど大丈夫?」
いつもは割と冷たい貴方の手が温かい。
やっぱり寝足りない?
「おはよう、翔くん。もう時間?
足りない分は…
空き時間に寝るから大丈夫」
そういって微笑む貴方。
貴方の寝顔を見るのは俺だけでいいのに
って思うのは狭量かな?
「で、なにやってたの?昨日」
「ん?ちょっとね…イラスト描いてた」
満面の笑みの貴方。
きっと満足できるものが出来たんだろうね?
「今度、みせてね」
うんと言って微笑む貴方の笑顔が眩しい。
きっと今日もいい一日になるね。