第14章 Intoxicated
今日はマンションに篭って、
次のインタビューのための資料作り。
家でも出来なくはないけど…
マンションの方が資料が多いから
こっちに来た。
「ふー。これでなんとかいけそうかな?」
誰もいない部屋で思わずひとりごと。
時計を見ると12時まであと少し。
みんな何してるかなぁ…なんて
思いながらスマホを弄ろうとする。
まるで見計らったような
タイミングで着信音がなった。
ディスプレーに表示された
名前をみて少し驚いた。
が、待たせるわけにいかないので
画面をタップする。
「もしもし〜翔くん?
ねぇ助けてよ〜」
珍しく情けない声をあげて
電話をしてきたのは事務所の
一応後輩にあたる生田斗真だった。
「斗真?どうしたの?
こんな時間に。
助けてってなによ?」
状況が判らないからこっちは
のんびりと受け答える。
「ねぇ、今さ、北青山にいるの。
地図送るから車で迎えにきてよ?」
「はぁ?
なんで俺が斗真を迎えに行くの?」
「ちがうって、俺じゃなくて
大野くん!」
「え?智くん?
ってかそこにいるの?」
「いるよ。
で、べろっべろに酔ってる…」
「ちょっと待て。
智くんがべろべろ?
っお前、何飲ませたんだよっ」
まったくもって意味が分からない。
智くんが斗真と飲んでるのも、
智くんがべろべろになってるとかいうのも…。
なにが起こってるの?
ついつい口調が責めてしまう。