第12章 Everlasting Sky
「あれ、インパクトあるもんね。
俺はさ、東京の空もここの空も
つながってると思うんだよね」
「うん、わかる。
そして気持ちもつながってる…
と思いたい」
「つながってるよ…」
「ようやく伝えられるね?
あのときはあれが
最善だったんだろうけど…」
あの日…。
あれだけのことがあったあと、
自分たちに出来ることをみんなで
真剣に考えた。
そして…出来ること。
歌を届けること。
選んだのは『果てない空』
思いを籠めれば籠めるほど
うまく歌えなくて…。
放送では上から音声が被されてた。
そのことで色々言われたのも知ってる。
でもそんなことはどうでも良かった。
ただプロとして…
きちんと伝えられなかったのが
悔しかった。
あれから3年が経って
ようやくこの地で伝えられる。
それが嬉しかった。
「潤?
大丈夫だよ、ちゃんと伝わるよ」
「そうだね…伝わるよね?」
「大丈夫!
潤が俺たちの分まで気持ちを
入れて作る舞台なんだからさ…。
自信持っていいよ」
スタッフさんの声がかかる。
いつもの様に俺の声で
気合いを入れる。
大丈夫、きっと伝わる。
今日も気持ちを籠めて響かせよう、
俺たちの気持ちを…。