第46章 バイカラーサファイアの夜 ーリクエストシリーズー
月曜日の夜。
ロックグラスに焼酎を注ぎ大きな氷を浮かべる。
「そろそろだ」
いそいそとソファーに座りテレビをつけて時間になるのを待つ。
いつものようにスーツにネクタイ姿の翔くんが映る。
うん、今日もかっこいい。
翔くんの姿を見つめながら去年のこの時期を思い出す。
去年の今頃…翔くんはラグビーの取材で全国を飛び回ってたっけ…。
焼酎のアルコールに引き摺られるように心が一年前に遡る…。
あの頃…本当にボロボロだった。
あんなに翔くんとぶつかったのは今までの僕たちの関係で初めてだった。
いまならわかるけど…あれは間違いなく僕が悪い。
でも…どうしようもない気持ちになったんだ…。
自分でもわからないぐらいグチャグチャだった感情を感情のままにぶつけたっけ…。
目線は変わらず画面に映る翔くんを捉えたまま、過去を思い出した。