第43章 HAPPY
日付が変わった瞬間からひっきりなしに震え続ける智くんのスマホ。
わかってたことだけどちょっと寂しかったりする。
って、まあ、俺達も真横にいるのに一斉に送ったんだから人のことは言えないけど…。
「大野さん、旬がお誕生日おめでとうだって。
今年こそLINEのID交換したいってさ」
「剛ちゃんからもおめでとうだって。
頭の中にtruthが流れてるってよ!」
震えるスマホをテーブルに置いたまま、ビールを取りに行った智くんに潤と和が大声で報告してる。
「相変わらずID教えてないの?おーちゃん?」
「だったらこのひっきりなしに震えてるのは何?」
雅紀の疑問に缶ビールを両手に持った智くんがのんびりと答える。
「うんとねぇ…船長とか、竜さんとかあとは…釣り仲間じゃない?」
ビールをテーブルに置いて開いた手にスマホを収めて笑う。
「知念とかは?」
ちょっと気になって聞いてみたらあっさりと答えは帰ってきた。
「あぁ…確かに侑李とかのんちゃんとか亀とかは知ってるかな?
あ、でも前に携帯替えた後に伝えてないやつもいるかも。
お、風磨からだ。
『親分お誕生日おめでとうございます。兄貴にもよろしくお伝え下さい』だって」
缶ビールを煽りながらこっちにスマホのディスプレイを見せてきた。