第40章 サプライズバレンタイン
「カットーーーーー!はいっ!OKっっ!」
監督の声がスタジオに響くと一気に音を取り戻したスタジオ。
スタッフさんが口々に『お疲れ様でしたー!』って挨拶してる。
「お疲れ様でした!ありがとうございました!」
監督に挨拶すると監督はしげしげと僕を上から下まで見てにやけながら言う。
「いやーー大野くん、すごい可愛いわ!
ほんと、その辺の女の子より
よっぽど可愛い!
この企画、うん、すごく良かったよ!」
悪い人じゃないけど…色んな噂のある人ではあるから…。
「いやーん、さとこ、うれしいっ!
では、しつれいしまーーーすぅ」
軽くあしらってさっさとメイク室に飛び込んだ。
メイク室にいるのは男性のメイクさんと女性のスタイリストさん。
ちょっと変わった二人でメイクさんは元Jrでとにかく女の子が大好きで片っ端から口説いて毎日デートする相手が違うっていうツワモノ。
スタイリストさんは女性だけど、女の子と可愛いものが大好きって公言しててすっごい綺麗なのにどんな男にもなびかない。
なぜかうちのみんなのお気に入りで可能な限りこの二人に仕事を依頼してる。
「あーっ、帰ってきた!
うん、やっぱりかわいい!
さとこちゃんのままでいてくれないかなぁ…」
「ほんと、めっちゃかわいい。
サイズも含め可愛いのに…中身知ってるから…」
なんか酷い言われようじゃない?