第38章 結婚したいもん!
そんな智くんを見つめながら話を続けた。
「あの瞬間、智くんの味を思い出したら
智くんの顔が浮かんで…。
その…智くんと結婚…
したいなって思って…。
思わず『智くんと』って
言いそうになったのを
無理やり『小瀧と』って
言い換えたんだ。
あいつさ、編集で切られてるけど
ぼそっとさ、
『これでおーちゃんに
ご馳走できる!』って」
思い出しただけでもちょっとムカつくんだけど…。
だからさ、牽制もしたかったんだよね?
俺がああ言ったら…引くだろ、ちょっとは。
あいつ若いし…まぁないと思うけど智くんを盗られたらって思ったらどれだけ牽制したって足りないと思うからさ。
まぁテクは俺のほうがあると思うけどね?
まぁまだ若い健全な青少年にはまっとうな道を歩んでほしいと思うのが先輩の心情なのよ。
智くんのことはさっさと諦めやがれ!
「智くんは小瀧になんか言われた?
『今度、食べに来てください』
とかなんとかさ?」
「ないよ…。
言われても二人っきりにはならないから…。
俺は翔ちゃんだけだから…。
ね、翔ちゃん、
また1歳違いになったじゃん、僕たち」
腕の中にいる智くんが上目遣いで俺を見る。
「だから…その…。
お祝いに…さ?僕のこと…抱いて?」
珍しく智くんから僕にキスをしてくれる。
もちろん、積極的な智くんをお断りするなんて罰当たりなことはいたしません!
櫻井翔、35歳になったこれからも…貴方のことを愛していくから…。
その誓いは智くんの身体にいやってほど刻みつけた。
<End>