第38章 結婚したいもん!
「翔ちゃん、翔ちゃんの番組に今度
のんちゃんがゲストで出るの?」
楽屋で資料を読み込んでた俺にスマホをいじってた智くんが声を掛けてきた。
ちなみに弟たちはすでに次の仕事に行っている。
俺達はテレビ誌のコンビページの撮影待ちだったりする。
「のんちゃん?」
「WESTの小瀧のこと」
「あぁ、来るみたいだよ、
スタジオゲストだけど」
「?スタジオゲスト?
なんか違うの?」
「相葉くんやニノとかみたいに
ロケ付きのゲストってわけじゃなくて
準会員って形で後ろにいる
ゲストで来るんだって。
番宣じゃなくてほら…その…
大人の事情ってやつだね。
で?それがどうしたの?」
普段、俺の番組に興味がないって顔の智くんがそんなことを言い出したから妙に気になった。
「あのね…さっきのんちゃんから
ラインが来てさ、
緊張する、どうしよう?って
だからね、
『大丈夫だよ、翔くんやさしいもん』って
送っておいたんだけどね?
ほんとさ、翔ちゃん、頼むね?
優しくしてあげてね?」
智くんがふにゃーっと笑う。
そんな顔されたら…邪険にできないじゃん。