第37章 silver
ニノが手にしてたのはシルバーのキーホルダー。
昔、俺が買ってプレゼントしたやつだ。
綺麗に磨かれてでも持ってる間についた傷でいい風合いになってる。
「ね?いい感じでしょ?これ。
磨かないとすぐ真っ黒になっちゃうからさ、
これでもマメに磨いてるわけ。
俺たちもこれと一緒。
磨かないと汚れちゃうし、
丁寧に扱っても傷はつく。
でもさ、その傷って
このキーホルダーの歴史でしょ?
傷も含めてすごく大事なんです、これ」
ニノが嬉しそうに見てるのを見てなんか背負ってたものが落ちた気がした。
俺…一人で背負いすぎてたのかな?
「相葉ちゃん、あのね、
もちろん個人の仕事だから
相葉ちゃんが一番
頑張らなくちゃいけないけど…。
おいらたち、ちゃんと後ろにいるよ?
おいらたちの仕事を
いつも笑顔で支えてくれてる
相葉ちゃんが頑張るんだもん、
おいらたちも精一杯サポートするから…。
だからみんなで頑張ろう!」
「あ、なんかリーダーっぽい!」
「だから…智くんはリーダーなの!」
「そこ…怒るところじゃないと思う」
混ぜ返すニノになぜか翔ちゃんが言い返し、そこに潤君が突っ込む…いつもの空気に自然と笑顔が出た。
ありがとう、みんな。
俺、頑張るから。
あと少し…迷惑かけるかもしれないけど…よろしくね。
ーENDー