第37章 silver
「にーの?にのちゃん?かーず?」
楽屋のソファーにぼーっと座ってる和に声を掛ける。
「へ?相葉さん?なに??もう俺の番?」
「違うよ。どうしたの?なんか悩んでる?」
「はぁ?私が?悩み事なんてないですよ。
それよりもさ…ちゃんと寝てる?」
ニノの指が目の下を撫でる。
「クマ、隠しきれてないよ?
それにさぁ、ちゃんと食べてる?」
今度は俺の顎を撫でる。
「寝てるし食べてるよ、大丈夫」
不安そうな顔のニノが心配でつい強がっちゃう俺。
毎度の事ながら年末は忙しい。
ツアーにレギュラーの年末進行、歌番組…。
今年は更に大役もある。
正直いってどれだけ時間があっても足りない。
上から降ってきたら間違いなく死ねると思うほど分厚い台本に同じぐらいの量の資料。
レギュラーはロケばっかだし…。
でもありがたいことだから頑張らないと…。
「ねぇ、今日」
突然ニノの声が聞こえた。
「ねぇ、今日はさ、うちに帰るよ?」
ぐっと腕を引っ張ってニノが言った。