第36章 とりっくおあ…
「智くん、あのさ、
相談があるんだけど…」
今日はお台場で収録だったりする。
1本目が終わって次の収録までの空き時間。
下の3人はそれぞれ取材と打ち合わせで居なくて二人きりの楽屋。
誰もいないからか、いや居てもか…。
智くんが頭を俺の膝に載せて寛いでいる。
そんな智くんに声をかけた。
「ん?翔ちゃんどうしたの?
相談って僕でいいの?』
「うん、
智くんじゃないとダメなんだわ」
「ふーん…。
いいよ、話、聞くね?」
膝の上に載せてた頭を上げると態勢を変えて隣にちょこんと座る。
「あのさ、
俺らの別荘代わりのハワイ…。
今年はみんな忙しくて
行けなかったでしょ?」
うんうんと可愛く頷く智くん。
「でね、もちろんポイントの繰越も
手配したんだけど、
それでも余るというか、
繰り越せない分があってさ…。
でね、日本のディズニーで
使おうと思ったんだけどさ、
みんなのスケジュール結構タイトで
スケジュール的に行けるの
俺とニノだけで…」
「じゃ、二人で行けばいいじゃん!
ディズニーのホテルなら
和、喜ぶよ?」
あっけらかんと言う智くん。
あまりの潔さに俺のほうが驚いた。
「いや、でも…それじゃ智くん達に
悪いっていうか…さ?
あれ、みんなのものだし…」
自分の中のもやもやをなんとなく口にしてみた。