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Side by Side  【気象系BL小説】

第35章 道




正直、言葉が出なかった。

LIVEで流れる地球の真裏からの映像。

絶対女王と言われた人が負けた…。

それまでの試合を見ててもこんな結果が待ってるなんて思いもしなかった。

今、どんな気持ちだろう…。

想像するだけで苦しくなる。


ずっとトップでいること。

その苦しさはトップに立つ人間にしかわからない。

トップに立つことは誇らしく喜びに満ちている。

でも…プレッシャーのほうが大きい。

追いかけられるのはきつい。
聞こえない足音に怯え続ける。

『勝つのが当たり前』

これがどれだけ苦しいことか…。

みんなが期待している。

みんながトップでいることを当たり前と思っている…。

もしかしたら本人さえもそう思っているのかもしれない…。



「とんでもない事をしてしまった」



ちがうよ、とんでもない事をし続けてきたんだよ…貴女は。

誰も真似出来ない、とんでもない事をし続けてきたんだ。

時は流れる。

トップに立つ人だっていつかは降りる日が来る。

それは自然の摂理。

努力ではどうやっても覆さないものがある。

いつかはその場所を誰かに譲るときがくる。

そうやって人類は進んできたんだ。



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