第34章 満月
いつもそう。
何気ない形で俺たちを支えてくれる智くん。
日本は…どうなってるだろう…。
急に心配になる。
智くんは?和は?雅紀は?潤は?
みんな大丈夫だろうか…。
ネット上を錯綜する情報。
何を言っても正しく伝わらない言葉…。
言えるわけないじゃないか…。
俺たちは俺たちでしかない。
それ以外になんて…なれないよ。
智くん、そばにいれなくてごめんね。
俺は俺なりに頑張るから…。
智くんがくれた金メダルを胸に頑張るから…。
今夜、リオの月を見ながら貴方の夢を見る。
月が綺麗だよ。
その一言にこもった気持ち、受け取ったから…。
『届くかな…?
本当に月が綺麗だよ…。
今度は隣で見ようね』
オリンピックパークの上空に浮かぶ月をつけて紙飛行機に託した…。
もうすぐ帰るから…。
まっててね…。
《おまけ*END》