第1章 君と僕
午前0時過ぎ。
ベッドで眠る君を見る。
今日は珍しく二人揃って早く帰ってこれた。
最近の過密スケジュールで疲れてるんだよね?
珍しく「先に寝てていい?」なんて聞く君。
「いいよ」と答えた僕の顔は…
君を心配させるものではなかった?
ちょっと不安だったけど…。
そのまま寝室へと行った君をみて
少し安心した。
ゆっくり休んでほしかったから。
パソコンを立ち上げ、ネットの海を漂う。
どうせ漂うなら…青い海を漂いたいなぁ。
なーんにもしないで、
ぼーっと釣り糸垂れたり
真っ青な海が真っ赤に染まる瞬間を
眺めるのもいいよね?
ブックマークされたページの向こうにある
碧い海。
それはすごく遠い。
ため息をひとつ、こぼした自分。
パソコンを切り、君の眠る部屋へと戻る。
薄明かりのなか、君の寝顔を眺める。
僕の寝顔は…きっと散々見てるよね?
でも僕が君の寝顔を見るのは…
そんなに多くないと思うよ?
そんなことを思ってたら…。
気配に気がついたのか
うっすらと目をあける君。
「あっもう寝る?」って
いつもよりやわらかい口調の君。
寝てたんだもん当然だよね?
自分の口元に浮かぶ笑みを抑え
「うん、寝るよ」っていいながら
君の隣に滑り込む。