第4章 名前
「そうだな……。それにしても、君は今何処へ向かっているんだ?」
「地下鉄です。……まぁ、きっと其所も危なくなるとは思いますけど」
カムクラは小さく溜め息を吐く。
「またモノクマか?」
「モノクマだけで済めばいいんですが……他にも面倒事が複数予想されるので先が思いやられます」
それを聞いた暁は腕組みをして表情を曇らせた。
「先が思いやられる、か。君が言うのなら余程の事なのだろう」
不安げな暁に、カムクラは振り向きざまに言った。
「まぁ、僕達がその面倒事に衝突しなければいいだけの話です。地下鉄が崩落しないうちに行きましょう」
「ほ……崩落だと?」
「その可能性があるというだけの話ですよ……」
カムクラの不吉な言葉に怯む暁。
「地下鉄が崩落する程の事が起きるかもしれないのか……?」
半ば信じがたいが、と暁はより一層強い不安を感じながら呟いた。