第6章 お別れ。
上空から、少し遠くに大きな埋め立て地が視認できた。
――塔和シティだ。
私が先程まで居た街。
1人の不思議な青年と共に歩いた街。
その青年は、今も尚そこに留まっている。
カムクラ君は大丈夫だろうか……。
ふと、また不安が胸の内を支配する。
賢くて強くて頼れる青年。
余計な心配だとは分かっているが、やはり気になるものだ。
コンクリートジャングルの埋め立て地を見つめる。
モノクマや、危険なコドモ達が蔓延る絶望の島。
どうか彼には生き延びてもらいたい。
「(いつかまた、必ず会おうな……)」
心の中で呟いた。
ヘリは速度を上げ、みるみる景色は遠のいていく。
やがて水平線の向こうに塔和シティは消えた。
私を乗せ、未来機関のヘリは遠く彼方へ飛んでいく。
燃える朝陽に溶けていく。
モノクマだらけの塔和シティで出会った2人の男の話。