第6章 堕とされた恋心
俺が、言葉で愛を囁くと嘘くさいように聞こえるだろうな
それでもが望むのであれば、愛を囁くのも悪くはないと思ってしまう
そんな事を考えながらの部屋の前に立つ
「……入るぞ」
「どうぞ……」
「どうした? ずいぶんと顔が強張っているようだが?」
「光秀……話があるの」
「聞こう……」
と向かい合って座っていると、2人の間に妙な緊張感がはしる。
暫くの間、黙って見つめあうが小さな声を漏らし、俺の左頬に触れてきた
「どうしたの?」
「秀吉に叩かれた」
「秀吉に?」
「ああ……あいつに説教をくらった」
そう告げるとは、まばたきを数回繰り返して
俺を愛おしげに見つめてきた。
今の俺なら素直な心でを見る事が出来る
いつだっての眼差しは優しかった
「」
「はい」
「俺は嫉妬深い男だ」
「え?」
「俺はのすべてを手にいれたい」
それは紛れもない俺の気持ちだ。
嫉妬深く、傲慢な俺はのすべてが欲しい
そんな俺を受け入れてくれるか?
「私のこと……好き?」
「好きではないな……」
すまない、いつものクセでついからかってしまった
泣きそうになるが、これほども愛おしく感じてしまうとは……
だが、笑った顔を愛でたい
「それ以上だ」
「っ……」
花が咲き誇るような笑顔が俺の心を鷲摑みする。
腕を広げ、を招くと腕の中に飛び込んでくる身体を抱きしめる
甘くて、くすぐったい感情が溢れてくる
こんな想いに身を委ねるのも悪くはない