第6章 堕とされた恋心
俺にとって女を抱くというのは己の欲望を満たす事だけであった。
必要なのは淫らな躰と辱めに耐える顔
それさえあれば、どんな女でも抱いた
女の心が欲しいと思った事は一度もない
__しかし
は違う
自分でもわからないくらいにの心を欲している。
初めてを抱いたのは、秀吉への想いを断ち切れずに泣いていた時だったな
最初は興味本位でを抱いた
抱いて初めてが俺の好みとする女だとわかった。
すぐには、俺に堕ちると思ったが……
が俺に堕ちる前にこの俺が堕ちるとは、想像もしていなかったぞ
この俺が?
恋に堕ちるなど笑ってしまうな
「さっきから何にやついてやがる!!」
「ああ……すまない__つい、なっ?」
「テメェ、自分の立場がわかっているのか?!」
顔を真っ赤にして俺を睨み付ける男
何をそんなにむきになって怒っているのか
小魚が足らないのか?
「そんなに怒る事はあるまい。
こうして俺は縄で縛られているのだからな」
そう、俺はこの男に捕まっているふりをしている。
この男は御館様の命を狙っている男の手下
情報を聞き出すために捕まっていてやっているが、情報は十分に聞き出す事ができた。
もう用は無い