第1章 堕ちていく私
「ふぅ……」
光秀の腕の中で先程まで肌を重ね合わせていた余韻に浸っていた。
とはいっても光秀が本当に私の事を好きかどうかは……わからない
それは私も同じ
さっきまでの行為だってお互いに「愛」があったかどうかなんてわからない。
光秀は何も言ってくれないし、私も自分の気持ちを口にはしないから
ただ__私は、私の本当の気持ちから逃れたくて
光秀に抱かれているだけだもの
「……」
「なぁに?」
光秀の細くて長い指が、私の唇をゆっくりとなぞり
「今のままでも__」
「んっ……」
なぞられている場所が熱を帯びてくる。
妖艶に微笑む光秀から目が離せない
「それなりに味わいがあるが……」
「?」
「仕込めばもっと味わい深い身体になるな……」
「んっ……」
差し込まれた光秀の指が、私の口内を挑発するかのように動きまわる
「舌を使ってみろ」
「んぐっ……」
冷たく響く光秀の言葉に抗えない私は、懸命に舌を絡ませて指を愛撫していく
「もっとだ……」
「ふっんぐっ……!」
口の奥まで指を入れられ、えずいてしまうが
お構いなしに指は動いて
「ふっ……」
鼻から息が洩れてしまう。
苦しい筈なのに……
どうして?
子宮の奥がきゅっと締まりだすの?
「涙が出るほど苦しいのか?」
恍惚とした笑みを浮かべる光秀
その笑みを見ただけで胸の奥が締め付けられてしまう
頷いて苦しいと意思表示をしたいのに
顔を動かす事も出来ず、ただ涙が溢れてくる