第2章 優しい悪魔
一切の抵抗もできないまま、強ばったままだった小さな身体は、始めて与えられる刺激に身を任せることしか出来なかった。
下半身を覆っていた半ズボンは下着ごと、片手で呆気なく下ろされ、意味もなく片足に引っ掛かっている。
男のヤニ臭い指が、きつく閉ざした唇を割って侵入してきたかと思うと、口腔内をかき混ぜるように攻め立てた。
深く押し込まれる度、内蔵から苦い物が込み上げてくる。
息苦しさと気持ち悪さからなんとか逃れようと、男の指先に思いっきり歯を立てた。
口の中に鉄の匂いがしたかと思うと、男の片手が俺の頬を掠めた。
鈍い痛みと共に、一瞬目の前が真っ暗になった。
圧倒的な力の前に、小さな抵抗すら敵わない…自分の無力さを思い知らされる。
「…このクソガキが…!」
忌々し気に一言放つと、指を引き抜き抜いたかと思うと、両足首を一纏めに持ち上げ、唾液と血液に濡れたそれを、小さな蕾に押し付けた。