第2章 優しい悪魔
その日は仲の良い友達の家でクリスマスパーティーを開く予定だった。
それぞれプレゼントを用意することになってたけど、何を持っていったらわからなくて、結局母ちゃん手作りのクッキーと、得意の似顔絵を書いて持って行くことにした。
似顔絵…と決めたは良いけど、5人分の絵を描くのは思った以上に大変で、全てを描き上げた時には、約束の時間をとっくに過ぎていた。
焦ってた俺は、近道をしようと、普段は通らない神社の裏側へと通じる林に足を踏み入れた。
そこは薄暗く、人気なんて全くなかった。
神社の前にたどり着い時、一台のバイクと、その向こうに赤い人影を見つけた。
子供だった俺は、母ちゃんの手料理よりも、大きなツリーよりも、数倍興奮したんだ。