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紅眼の戦姫

第1章 第1幕 第3王女ティアナ姫


軽い雑談をしていると兵の一人が入ってきて姉さんが到着したとの報告が入った。それを迎えるべく正面玄関へ向かう。姉さんに会うのは実に8年ぶりだ。扉がギィと音を立てて開くと入ってきたのは嫁いで行った時とは変わらず美しいレベッカ姉さんが笑顔で入ってきた。

「久しぶり!皆!」

「レベッカ姉さん、久しぶり」

皆してお帰りと挨拶し、レベッカ姉さんの周りを囲む。

「ティアナ、大きくなったわね」

頭をポンポンと撫でてくれるレベッカ姉さんは昔と変わらない。レベッカ姉さんも昔から私に優しかった。

「レベッカ、暮らしはどうだい?」

「大丈夫よ、毎日楽しいわ」

笑顔でキース兄さんと喋っている。その後ろから姉さんの嫁ぎ先の国であるアマランス国の王子、シルフィ王子が歩いて来ていた。

「お久しぶりです、皆さん」

「シルフィ王子、よくお越しになられた」

キース兄さんがシルフィ王子を軽い包容で迎える。キース兄さんとシルフィ王子は昔から仲がよく、旅行なども一緒に行っている。

「大広間でゆっくり話すとするか」

父様が大広間への扉へ手を掛けてから私に向き直って言い放った。

「ティアナ、お前はもういい、下がっていろ」

「…!」

お前はもう参加しなくていいと言うことだろう。もうこれにも慣れた。それを聞いてキース兄さんとレベッカ姉さんが反論する。

「父様!まだ、ティアナをそんな除け者にしておられるの!」

「ティアナの力はもう、最近発動してない!ティアナを除け者にするのは止めて下さい!」

「黙れ!下がれと言ったら下がれ!」


《ススキside》
国王の厳しい怒鳴り声。キース王子とレベッカ様の反論を物ともせず大広間への扉を開ける。

「…ススキ、行くわよ」

「姫さん…」

キース王子とレベッカ様の声がする中、姫さんは俯いて大広間を後にする。肩が微かに震えているのが分かった。


「ふー…」

「姫さん、大丈夫か…?」

ベットに腰を降ろして一息ついた姫さんに思わず声を掛けてしまった。

「え?大丈夫よ、あんなこといつもだし、慣れっこよ」

無理して笑顔を作ってるように見えた。でも、笑顔でいないと何かに押しつぶされてしまうのだろう。

「ススキ、馬用意しといてー遊びに行くわよー」

「おう」
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