第5章 birdcage
「かずくん…きもちいい…」
「ん…そうだね…きもちいいしようか…」
翔の中から指を抜くと、翔の身体がぶるっと震えた。
胸板にひとつキスを落として、俺は翔の後ろに自分をくっつけた。
翔が痛みを感じることが頭をよぎった。
でも、俺は一つになりたくて。
翔と一緒になりたくて…
「翔…ちゅーしよっか…」
上気した顔を俺に向け、翔は目を閉じた。
「ん…可愛いよ…翔、いい子…」
囁きながら、腰を進めた。
「あっ…かずくんっ…」
翔が俺の肩を掴んだ。
ぎゅうっと握りつぶされそうなくらい力が入ってる。
でも俺もやめられなくて…
凄い抵抗のある中をぐいっとまた腰を進める。
「くっ…あっ…あぁ…翔…」
「あ…かずくん…かずくん…」
「なあに…?翔…」
息が上がりながらも、徐々に翔の中を突き進んでいく。
「すき…かずくん…すきです…」
「ん…俺、もっ…好きだよ…」
全部、翔の中に入った瞬間、いろんなことが満たされた。
小さいころ仕事仕事で両親に顧みられなかったこととか、彼女に振られ続けたこととか、音楽で上手く食っていけないこととか。
全部、全部…
翔の中に入った瞬間、霧散していった。
不思議な感覚だった。