第25章 特別短編 緑色の木
その後、服を着てたらルームサービスが届いて。
朝飯だか昼飯だかわからない飯を食ったら、チェックアウトの時間だと連絡がきた。
「あー…なんかソファで寝たから身体おかしいな…」
「くび、いたい」
「そっか、じゃあ家帰るか…」
ニノと翔が先に部屋を出ていった。
「俺達ももう帰ろうな?潤」
「はい…」
飯を食ったのに、グロッキーな潤を連れて智はにっこり笑って帰っていった。
「あいつ…年々、怖くなっていくな…」
完全に尻に敷かれてんじゃねえか…潤…
「でも…松本さんは、あんくらい手綱締めてないと暴れ馬だから…」
「ぶっ…」
どうやら潤の昔の武勇伝を聞いたことがあるらしい。
昔は酷かったからなあ…
「ま、あれはあれでバランス取れてんだけどな」
「いいと思いますよ…二宮さんも翔くんも…松本さんも大野さんも…」
そっと侑李が俺の手を握った。
「皆、僕の憧れです」
「侑李…」
ゆっくりと侑李の目が閉じられた。
頬を撫でると、俺も唇を近づけていった。
唇が重なったとき、ちょっとだけ身体がウズウズして参った。
「さ、帰ろうか…送るよ」
「でも車…」
「タクシーで送る…」
「ありがとうございます…あの、雅紀…」
「ん?」
玄関ドアに手をかけた瞬間、侑李が抱きついてきた。
「好き…です…」
ありがとう…
侑李、俺を愛してくれてありがとう…
ちゃんと、俺も言うよ
今まで伝えられなかった言葉…
「俺も…おまえのことが好きだ」
俺の元に戻ってきてくれたおまえを…
待ってていてくれたおまえを…
ちゃんとしあわせにするからな
「今度はちゃんと頂くからな?」
「も、もおっ…そんなことばっかりしか考えられないんですかっ!?」
一発ぽかりと殴られておいた。
【END】