第25章 特別短編 緑色の木
「侑李?」
「……」
ベッドの中で侑李は俺に背中を向けたままだった。
「あー…その、な?元気、出せよ…な?」
「うーっ…」
まだべそべそしてる…
今日俺たちは、結ばれた。
んだよな…?
侑李の留学が終わって、昨日は帰国祝いのパーティーだった。
ガオは響に授乳中で来られなかったけど、風間は顔を出してくれて、Gravityでちょっとした規模のもんになった。
常連や仲間たち、それからSTORMの連中も集まって夜通し飲んだんだよな…
で、気がついたらこうなってて…
実はふたりともなにがどうなったのかちっとも覚えてないんだよな…
目が覚めたら昼近くになってて、ホテルのスイート?だよな…ここで裸で抱き合って寝てたんだよな…
「ごめんて…」
「なんかどろっとしたの出てきてる…」
「ほんとすいません…」
「なんでバージンなのに、覚えてないの…?」
「まじでごめん」
白くて細い肩が震えた。
「違う…なんで僕、覚えてないんだろ…」
「侑李…」
そっと肩に手を置くと、侑李はビクリとした。
「雅紀は覚えてる?」
「いや…だから…さっきも言ったとおり…ごめん…」
「うわぁぁぁんっ…」
「ごめんって…ごめんっ…」