第22章 特別短編 愛してるよっ
とりあえず、3発ほど殴っておいた。
「いてえ!」
「当たり前だ!殴ったんだからな!」
「もう…冗談くらい言わせろよ…」
「おまえの冗談は、冗談に聞こえねえんだよ…」
高校のときから、こいつがヤリ捨てにしてきた女を見てるからなぁ…
あの時は、この気持ちがなんだかわからなかったから、もやもやしてただけだけど…
一緒に暮らすようになって、はっきりとわかったんだ。
俺はこいつのこと、好きなんだって…
一緒に暮らしてからは女ができることはなかったけど…
俺は常に潤に彼女ができないか、ビクビクしてたんだ。
時には、潤に変な女が近づかないようブロックまでしてたんだから…
「智…?どした?」
「ん…?なんでもねえよ…」
急に黙ってしまった俺を、潤は心配そうに覗き込んでる。
「なんでもないって…」
「智…ごめん」
「え?」
「俺、お前のことちゃんと好きだから…」
「潤…」
「俺、もうおまえじゃないとだめみたい…」
へへっと笑って、俺を抱き寄せた。
「離さないからな…智…」
「なんだよ…急に…」
「一生、俺の面倒みさせるからな」
「…上等だよ…ばか…」
「…ありがとな…」
潤は…
直情バカだけど…
本当は凄く優しくて…温かいやつなんだ…