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Re・Birth【気象系BL小説】

第20章 特別短編 俺達の道


侑李が俺の事務所で働くようになって一年が過ぎた。
こいつ、学校でグラフィックを習ってたらしく、あっという間にその才能を開花させた。
今では俺の事務所ではなくてはならない戦力になってる。
クライアントとの打ち合わせでは、時々誰も思いつかないようなことを言っては周りを驚かせた。

こいつの才能を埋もれさせちゃいけない。
常々俺は考えていた。

「なあ、侑李」
「はい?」
「お前、アメリカの大学に留学する?」
「えっ?」
「俺のことなら、もう大丈夫だよ…」

侑李は、ずっと俺のそばに居てくれた。
でもね…
やっぱり俺、秀明のこと忘れらんなくて…
決して侑李に魅力がないんじゃない。
俺の気持ちが…まだね…

そんな俺を侑李はいつも傍で支えてくれた。
仕事もプライベートも。
身体の関係はないよ。
…そんな気にならなかったんだ。

「いいんですか…?社長」
「うん。ただし」
「え?」
「ちゃんと、俺んとこ戻ってきてくれる?」

運転席から横顔を覗き見る。
侑李はまっすぐ前を向いて笑ってる。

「はい。もちろん」

その声がしっかりしていたから、俺は安心した。

「じゃあ、行ってこい」
「はい。ありがとうございます」

そっとまた、ギアに置いた手を侑李は握ってくれた。

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