第17章 特別短編 しょう
「翔、ほら…」
おかあさんがはこをあけました。
「見てごらん。わんわんだよ」
おとうさんがぼくのあたまをなでました。
「わんわ?」
「そう。ほら…絵本でみただろう?これがわんわんだよ?」
「わんわん…」
はこのなかに、ぬいぐるみがいました。
しっぽをつかむときゃんといいました。
「翔っ…そんなに乱暴にしちゃだめよ?」
「ほら…こうするんだよ…」
おとうさんはわんわんのあたまをよしよししました。
「こう…?」
ぼくはおとうさんのしたとおり、よしよししました。
わんわんはぼくのてをぺろりとなめました。
「きゃ…」
「大丈夫だよ…翔…」
おとうさんはわらいました。
「わらう!だめ!」
「くっくっ…だって翔…」
「んー!んー!」
ぐーでおとうさんのももをなぐりました。
「痛い…やめて翔…」
「もう、お父さんがいけないんですからね…?」
おかあさんもおとうさんをぽかりしました。
「翔…お前ももう、お兄さんになるんだから。もっとしっかりしないと」
「はーい」
あとにかげつしたら、ぼくはおにいさんになります。
いもうとがくるそうです。
だからぼくはしっかりするよう、がんばります。