第15章 hope
チュンチュン…と外から鳥の鳴き声が聞こえる。
これって…雀の声…?
あ、朝かあ…
窓から差し込む陽の光が眩しい。
「ん…」
少し身動ぎしたら、隣でガタっと大きな音が聞こえた。
「かずくん!?」
翔の声だ…
「おはよ…翔…」
あれ?声のする方に向きたいのに、体が思うように動かない。
ぎしぎしと体が軋む。
「ちょっと…翔…?」
翔に向かって手を伸ばすと、ふんわりと翔は手を握ってくれた。
「かずくん…」
「なんだよ。俺はなんか身体がおかしいんだよ」
「かずくん…かずくん…」
「どうしたんだよ…?」
ぽたりと俺の手に涙が落ちてきた。
「翔…?なんで泣いてるの…?」
「かずくん…」
「ん…?」
やっと翔の顔が見えた。
ゆっくりと翔の顔が近づいてくる。
俺の唇にキスを落とすと、翔はそのどんぐりみたいな目から大量に涙を零した。
「しょ、翔?一体どうしたんだよ!?」
また起き上がろうとしたけど、ちっとも身体に力が入らなかった。
「どうなってんだよ…もうっ…」
翔は泣いた顔のまま、笑った。
「なに笑ってんだよ…」
「かずくん…」
そっと俺の胸に、翔は頭を載せた。
「おかえり…かずくん…」
【hope END】