第14章 burn
「和也…ケツ出せ…」
立ちあがって安藤の顔を見る。
安藤…お前の顔、死相が出てるよ…?
搾り取れるだけ搾り取ったら、安藤はふらふらと風呂を出て行った。
身体もろくに拭かないでベッドに倒れこむといびきをかいて眠りについた。
その間部屋を物色して、出入り口を確認する。
なんでこんなことができたのかわからない。
生存しようとする本能だったのだろうか。
それとも、復讐の一心だったのか。
わからない。
2時間ほどすると、安藤は目を覚ました。
「ねえ…安藤…アイスが食べたい…」
「あ?何言ってんだ…」
「アイス…バニラのアイスが食べたい…」
安藤の指をしゃぶりながら、上目遣いでねだる。
「安藤のちんこにアイスつけてしゃぶったら美味しそう…だめ…?」
「和也…」
安藤がガタガタ震えながら、それでも俺の頭を抱きかかえる。
「ああ…俺にはもうお前しか居ねえよ…」
そう言うと服を着て、ふらふらしながら一発キメた。
すぐにシャキっとすると、どかどかと部屋を出て行った。
この建物はおんぼろで…多分、廃ビルだ。
だから部屋にあるものを使えば多分部屋を脱出することなんて出来たと思う。
けど、この時の俺は部屋を動かなかった。
じっと、安藤の帰りを待ってたんだ。