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Re・Birth【気象系BL小説】

第13章 these


カツン…カツン…

苛立った足音。
安藤が消息を断った。

どうやら尾行されてることに気づいたようで、通りを一本入ったと思ったら、姿が忽然と消えたと報告が入った。

安藤も警察官。

その尾行がどこからのものかはわからなかったろうが、姿をくらますのなんて朝飯前だったろう。


由美さんが長い髪を縛りもしないで、ゆらゆらと倉庫の中を歩いている。
その目はこれからのことを睨んでいる。

美穂さんと美樹さんは外に出ている。
翔の体内から取り出したマイクロチップの解析結果を取りに行っている。

発信機は取り出すことができなかった。
見つけるのに時間が掛かって、用意した麻酔が足りなくなったからだ。

翔は今眠っている。
傷は小さかったから、もうほぼ塞がっている。
俺の膝の上で、幸せそうに寝息を立てている。

由美さんの苛立った姿は、俺達に漠然と不安を与える。

だけどそれを口に出すことはできなかった。
この人達が精一杯やってくれていることは知っていたから。

翼を抱きかかえながら遠くを見ている雅紀も、同じ思いだったのではないだろうか。

倉庫の中は沈黙に包まれている。
見えない安藤の影に、支配されているようだった。

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