第12章 dark
あいつら全員ぶっ殺してやる…
秀明のように、一匹一匹狩ってやる…
ドタマ撃ちぬいてもがき苦しめばいい…
それとも理事長一家みたいに、山奥の廃屋で冷蔵庫に詰め込んでやろうか…
想像していると楽しくて笑いがこみ上げてくる。
あの女探偵どもも一緒だ。
殺してやる
全員殺してやる。
翔だけ生かしてやる。アイツは一生俺の奴隷だ。
阿呆のくせに逃げやがって。
翼も生かしておいてやってもいい。
アイツは俺が居ないと生きていけないんだからな…
仕込んだのは俺なんだから…
ぎりっと歯を食いしばると、血の味がした。
それが一層俺を掻き立てた。
タブレットを起動して、翔の発信機の電波を探した。
今日は湾岸に居る。
「こんなとこで何してやがんだぁ…?」
立ちあがってドアに手を掛ける。
遠くからサイレンの音が聞こえる。
とっさに個室から飛び出した。
サイレンの音から逃れるように走りだした。
汗が目に入る。
ちょっと走っただけなのに、すごい量の汗を掻いた。
車は使えない。この前捨てた。
Nシステムにひっかかるからだ。
偽装ナンバーを秀明が処分してしまっていた。
あいつ…どこまでも俺を舐めてやがった。
地下鉄の駅に向かって俺は全力疾走をした。
警察学校以来だった。
【dark end】