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Re・Birth【気象系BL小説】

第10章 stream


雅紀が安藤に誘拐された事がわかってから、事態は膠着していた。
安藤の隠れ家がどこにあるのか、掴めて居なかったからだ。

もちろん本宅には戻っていないのは確認できていた。
由美さんたちは、アルバイトを雇ってそれらを的確に把握していた。

とても素人の動きじゃない。

由美さんは元警官だと言っていたけど、美穂さんも美樹さんもそうなんじゃないかな…

あれから半日が過ぎて、由美さんの携帯が鳴らなくなった。

「…由美さん…?」
「はい」
「なにか動きがあったんですか…?」
「いえ…わかりません…」

由美さんも釈然としない顔のまま、時間だけが過ぎていった。
翔が眠そうに目をこすり始めた。

「とりあえず風呂でも入るか…」
「あ、では私は夕飯を調達してきます」
「ありがとうございます」

由美さんが出て行くと、智も自分の部屋へ一旦戻った。

「風呂入ってくるわ」
「ああ」

二人で裸になって風呂に湯をためた。
その間にまた歯磨きをする。

「かずくん…」
「ん?」
「こわいおかお…」
「え?」

昨日から、一時も気の休まる暇がない。
知らず知らずのうちに険しい顔になってしまっていたようだ…

「ごめん…ほら」

にっこり笑ってみせると、翔も笑った。

「かずくん、かわいい…」
「ば、ばかっ…」
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