第7章 Kozmic Blues
とても幸せだった。
「和也。ほら、手つないで」
「はぁい」
俺の傍に駆け寄ると、ぎゅっと手を繋いで、和也は俺に身体を寄せた。
「しょうさん…」
「ん?」
「おさけくさい…」
そういうとしかめっ面をした。
「ああ、ごめんな…少し飲み過ぎたかな…」
「くさーい」
でもそういいながら、和也は俺にもっと身体をこすりつけてきて。
「臭いんだろ?和也…」
「くさいです」
「もう…離れてろよ…」
「いやです」
「離れろ」
「いや」
「もー…」
ぐしゃっと髪の毛を撫でると、にゃって笑って。
その笑顔が、いつまでも脳裏に残った。
とても幸せだったんだ。
気がついたら、病院のベッドにいた。
何が起こったのかわからなかった。
ガオがベッドサイドに立ってた。
俺の顔をみて、ガオは泣きだした。
ガオが泣き出すと、病室のドアから雅紀が飛び込んできた。
俺の顔を見ると、あわててどこかへ電話を始めた。
潤と智も飛び込んできて、ナースコールを押した。
「何…?どうしたの…」
智が顔を歪めた。
「和也が…」
その後、言葉がでてこない。
「え?どうしたんだよ…」
潤が俺の顔を見ながら、口に手を当てた。
「和也が、いなくなった」
音が、消えた。