第7章 Kozmic Blues
「おーい。なんか一曲、カズナリに聞かせてやろーよ」
うえーいと返事が聞こえてくる。
俺もブースの中に入った。
「和也おいで」
俺は和也の手を引いて、ピアノブースに連れて行った。
「ここね、しばらく和也が使っていいんだって」
「ほんとですか!?」
ピアノブースの中には、白いグランドピアノと、壁際に二段のキーボードが置いてあった。
「どれも自由に使っていいんだよ、和也」
「は…はぁい…」
ちょっとびびってるのがおかしかった。
「今から、俺達の曲やるから和也もここで自由に弾いていいんだよ」
「はぁいっ」
早速グランドピアノの前に陣取った。
マイクからガオの声が聞こえてくる。
『じゃあ、RISEやろっか』
まるを腕で作ると、ピアノブースを開けたまま、メインブースへ移る。
中央にあるマイクの前に立つと、横においてあるハンドマイクを手に取った。
ガオが入ってきて、マイクの前に立った。
智のギターの音が響いてる。
潤の出す電子音はさっきからひっきりなしに、音程を変えている。
雅紀のブースからは、腹を抉るような重低音が聞こえてくる。
雅紀をみたら、もう汗にまみれてた。
ガオが叫んだ。
「RISE!」
それが合図で、全員が音楽を刻みだした。