第7章 Kozmic Blues
智もふにゃっとまた笑うと、和也をブースの中に連れて行った。
ギターを担ぐと、アンプの音量を調整して、和也に弦を弾かせてた。
ああ見えて、智も面倒見いいんだよな。
普段は全てのことがめんどくさそうにやってるけど…
たまに、生きることすら面倒にみえるくらい。
和也がキラキラした目で、弦を弾いてる。
そのうち智は和也を座らせてギターを担がせて弾かせてた。
「ガオ、和也どうするの?」
「ん?ピアノブースみてみ」
目を遣ると、ピアノブースが何やらごちゃごちゃしてる。
「あそこ、和也の部屋にしたから」
今回はこのスタジオを半年借り切ってる。
その間、それぞれのブースを部屋と俺達は呼んでる。
「でも、和也は…」
「ま、メンバーみたいなもんだけどさ、表には出さないよ。アイツにみつかるでしょ?」
「うん…」
「だからサポートメンバーとして扱うよ。そしたらアンタも和也を堂々と連れてこれるんだから」
「おう…」
「それに、あの才能…」
「うん」
「まだ未知数だけど、これからアタシは見守りたいな…」
「うん…ありがと…ガオ…」
「よし、一回なんか曲やるか!」
そういうと、ガオは伸びをして、スタジオマイクのスイッチを入れた。