第7章 Kozmic Blues
次のスタジオ日は、それぞれが作ったものを持ち寄っていた。
予め、ガオが各メンバーと打ち合わせを済ませてくれてて、もうデモもできあがってた。
和也にメンバーがそれぞれ、挨拶をしてくれた。
一番最初に来たのは、雅紀だった。
「おっ…こいつが噂の和也か」
ドラム屋には見えない、華奢な身体をした雅紀は和也をいきなりだきしめた。
こいつはいつもそうだ…
「ふぇぇ~…しょうさぁぁん…」
「大丈夫…そいつはだっこが好きなだけだから」
「ふぇぇ…」
「あっ…ごめんなっ!俺、無神経で…」
雅紀の手を離れた和也は俺の懐に飛び込んできた。
「わぁお…翔、やるねぇ…」
雅紀はそう言いながら、ブースに入っていった。
ドラムブースに入って、前回はなかった、雅紀のドラムセットの調整を始めた。
和也の鼓動が伝わってくるくらい、ぎゅうっと抱きつかれた俺は、暫く身動きがとれなかった。
でも雅紀がドラムを鳴らし始めると、興味津々でガラスに貼り付いた。
「おもしろいだろ、和也」
「あーいっ」
振り返って返事をした目はいきいきしてた。
こんな目もみたことなかった。
最近、みたことない和也ばかり発見できて嬉しい。