第2章 One Good Man
かずなりくんは、仕事をし始めた。
下の子たちの面倒をみてる。
今はグラウンドで、ボール遊びをしてる。
遊んでやってるんだか、遊ばれてるんだかよくわからない光景だった。
先生が俺にお茶を出して勧めてくれた。
「すいません…和也くん、言い出したらきかないところがあって…」
「いえ…いいんですよ。っていうか、本当にバイト代貰えるんですか?」
「払いますよ。なんなら私のポケットマネーで」
「ははっ…助かります」
「和也くん、本当は大人の男性、だめなんですけどねぇ…」
「え?」
しまった、という顔を先生はした。
「なにかあったんですか…?」
「いえ…」
目を逸らすから、俺は他言しないことを誓ってなんとか話を聞き出した。
「レイプ…?」
「ええ…とても信頼してたボランティアの方だったんですが…あ、これも他言しないでくださいね…」
「…わかってます…」
「本人は、なにされたかわかってないんです。ただ、痛いことされたとしか…」
そう言って先生は涙ぐんだ。
「多いんです。障害のある子…特に知能の発達が遅れている子に対する性的虐待って…」
「そんな…」
「そういうのを趣味にしているグループもあると聞きます」
「マジですか…」