第7章 Kozmic Blues
家に帰る途中、早速楽器屋に寄って和也にキーボードを買った。
小さな鍵盤を抱えて、俺はちょっと幸せな気分だった。
もしかしたら、和也に仕事ができるかもしれない。
俺達のバンドで、ピアノを弾くこと。
和也の手を引きながら、俺はとても嬉しかった。
「しょうさん、うれしそう」
和也もニコニコしてる。
「嬉しいよ。だって和也にお仕事できるかもしれないんだよ?」
「はぁい」
和也が手を上げる。
「嬉しいね。和也。お給料貰えるんだよ?」
「はぁい。おしごと、うれしい!」
和也の妙なダンスを眺めながら、俺の頬も緩みっぱなしだった。
家に帰って、早速キーボードの電源を入れる。
和也に自由に弾いていいよって言ったら、ずーっと弾いていて参った。
「少しは構ってよぉ…」
そう言っても、和也はずっとキーボードに夢中だった。
晩飯の用意をして、暫く待ったけどやっぱりこないから、強制的に電源を落とした。
「和也っ」
「はぁい…ごめんなさぁい…」
気が散ってる和也になんとか晩飯を食べさせて、風呂に入った。
風呂の中でも指を動かしてるから、参った。
参った…