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ROSE【気象系BL小説】

第7章  Kozmic Blues


「別に…」


「殺すの?」


心臓が、止まるかと思った。


「カズナリをヤった奴、殺そうとしてるの?」


「な、に言ってるんだよ…」


ふっとガオが笑った。


「わかった…考えとく」


ガオには隠し事ができない。


昔から、隠してることも何でもお見通しで。


それは俺だけじゃなくて、バンドのやつら全員で。


だから、誰もガオに逆らえなかった。


そして、ガオのいうことには間違いがなかった。


だから俺達のバンドはここまでこれた。


「ガオ…」


「ん?そろそろさ、覆面に飽きてたんだよ…」


「え?」


「ツラ、晒してみる?翔」


「え?だって…」


「仮面なんて、取っちまおう」


にこっと笑った顔は、女性そのものなのに、その眼光は鋭かった。


「次のアルバムから、顔だすから」


彼女の音楽センスも、並大抵じゃなく。


多分、顔を出しても俺たちは売れるだろう。


「あんた、可愛い顔してるから、大丈夫よ」


またふふっと笑った。


その時、ガオの顔が真顔になった。


ブースの中から、流れてくる音楽。


ガラスの向こうを見ると、和也と潤がピアノのブースにいた。


弾いていたのは、和也だった。

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