第7章 Kozmic Blues
「ふーん…これからは、レコーディングには必ずこのカズナリがついてくるってわけね」
クスクス笑いながら、また新しいタバコに火をつけた。
「いいだろ?ガオ」
「アタシは別にいいわよ」
「ありがと。ガオがOKなら多分、あいつらもOKだと思うわ」
「いいよ。アタシから言っといてあげる。翔にこんなかわいい恋人できたからって。アタシが許可したって」
今日はレコーディングスタジオで打ち合わせ。
作詞とリリック担当が集まることになってる。
楽器隊、作曲隊はできてないからこないんだって。
一年もなにやってたんだ…アイツら…
作詞はガオ、リリックは俺。
そしてもう一人の作詞隊。
遅れている…
「すまん!遅れた!」
声の主は、遅刻魔の潤。
「あ?なにこのガキ」
「お前だってガキだろうが…」
「だってコイツ中学生だろ?」
「二宮和也です!」
「は?え?」
「よろしくおねがいします!」
「はいはい、和也、よくご挨拶できたね~…いい子。こっちおいで?」
和也は俺の膝にのってくると、ぎゅっと俺に抱きついた。
「なに…?親戚の子なの?」
潤が恐る恐る訊いて来る。
「障害、あるんでしょ?」
「そうだよ」
「なんでここに連れてきてんの?」
「俺の恋人だから。彼は孤児だから」
「え?え?え?恋人ぉ!?」
「こうみえて、お前とおなじ18歳なんだぜ」
「へ、へぇ…そっか…」
潤はちょっとひきつって、ソファに腰を下ろした。