第7章 Kozmic Blues
「で、その子がかずなりくんってわけ…?」
ガオが呆れ気味に、タバコの煙を吐き出す。
和也は彼女を見て、ずっと目を白黒させてる。
「ん…そう。俺の恋人」
「ふぅん…かわいい顔してんじゃん」
ガオは和也の顎を持つと、顔を近づけた。
「はじめまして、カズナリ。私、ガオっていうの」
「はじめましてっ二宮和也ですっ」
背筋をシャキーンと伸ばしたから笑った。
「和也、ガオはお前を食べないから大丈夫だよ」
でも和也がびびってるのには訳があって。
ガオは男装の麗人なのだ。
俺のバンドのフロントの一人なのだが、昔からガオは男装してる。
普段の格好も男だし、恋人も女だ。
でもなぜかしゃべる言葉だけは女性で。
一体、彼女と居ると、性ってなんなのかわからなくなるときがある。
昔、彼女と違うバンドをやってた時、俺と二人でスーツでステージに上がったことがある。
俺はあごひげ、ガオは普通の付け髭。
それにマフィアみたいなスーツで出たら、失神した女の子が出た。
ガオがあまりにもセクシー過ぎたんだって。
今、彼女は24歳。
俺のバンドで、一緒にフロントマンしてる。
もちろん覆面バンドだから彼女の容姿が話題になることはないけど。