第6章 Piece of My Heart
「愛してるよ…」
和也の鼻先にキスをすると、ゆっくりとベッドに和也を寝かした。
「しょうさぁん…どこにもいかないでぇ…」
なにがこんなに和也を不安にさせてるんだろう。
ご両親との別離か…
それとも先生と引き離されたことか…
和也は俺さえいてくれればいいって言った。
そばにいるのに…
なんでそんな不安がるんだ?
やっぱり、あの時の傷が癒えてないのか…
「どこにも行かないから…ね?和也」
「うー…いやぁっ…」
「和也…?」
「ぼくもつれていってっ」
「ど、どこへ…」
「しょうさんがいくところ、どこでもつれていってっ」
「和也…」
和也の手が、バタバタ暴れ始めた。
病院にいる時、何度も見た。
感情が昂ぶって、暴れる前の前兆だ。
「和也っ…!」
慌てて抱き寄せて、背中を撫でる。
「大丈夫だから…どこにもいかないから…ね?」
「やぁっ…しょうさんっ…おいていくっ…」
「いかないっ!いかないからっ!」
「ああーーーっ…しょうっ…」
ぎゅうっと和也がしがみついてきた。
痛いほどの力で。
「かず…痛いよ…」
小さな声で呟いたけど、それは興奮した和也には届かなかった。